高校は違うところへ行ったけど それでも、忘れたことはなかった。 高3の朝の登校のときに よくすれ違うようになったから。 遠目からでもわかるほどの綺麗な黒髪、 ずっと通った鼻筋、大きい目。 道行く人が振り返るほど 彼女は綺麗だった。 駅のホームで見かけるたびに 胸の奥がざわついた。 もう話すこともないし 向こうは俺のことなんか…… そんなふうに、諦めたふりをしていた。