ドキドキして、 手のひらが汗ばんだ。 離そうか、繋いだままでいようか、 迷ったそのとき。 彼の手が そっと指先を重ねてくれた。 「……久しぶり」 その声は、小さくて、 でもたしかに優しかった。 あの日、心が何かでいっぱいになって、 言葉も出せないまま ただ手を繋いでいた。 あの手の温度を、 私はずっと忘れられなかった。