Dr.プリンセスハッピー

「治療成功です! 毒が抜けて、王子様の姿は元に戻りました!」

 王子様はものすごいイケメンになりました。サラサラの黒髪で、吸い込まれそうな真っ黒な瞳。

「あ、ありがとう! すごいね! Dr.プリンセスハッピー!」

「それで、王子様は人魚姫と結婚するんですか?」

「いいのかい? Dr.プリンセスハッピー。ぼくときみは婚約者だろう?」

「わたしはいいんです。みんなの幸せがわたしの幸せですから!」

「ありがとう、Dr.プリンセスハッピー」

 人魚姫が泣いています。そんな人魚姫を王子様は優しく抱きしめました。ふたりは絵本の世界みたいにとってもキラキラしています。

「少しだけお父さんがいっていたことがわかる気がしたよ」

 ハッピーはラッキーに満面の笑みをこぼしました。

「一人前の医者になるには優しさも大事だってことだね」

 ラッキーも幸せそうな二人を見て笑顔です。

「うん。イケメンの王子様は少しもったいなかったけれどね」

「あははっ、そのうちハッピーにも素敵な恋人ができるよ!」

 ラッキーはハッピーの背中を手のヒレでなぐさめるようにさすりました。

「わたしは大丈夫よ、ラッキー先生。きっとどこかにわたしだけの素敵な王子様がいるわ! わたしも人魚姫みたいに素敵な恋人みつけちゃおっ!」

「Dr.プリンセスハッピーとDr.ペンギンラッキーはどこへ行くのですか?」

「わたしたちは旅を続けます! 一人前のお医者さんになることが夢だから!」

 ラッキーにはハッピーがとてもキラキラ輝いて見えました。

 お城を出ると赤ずきんが待ち構えていました。

「こっそり聞いていたわよ! あなた、人魚姫に王子様を譲るってどういうこと? もったいない!」

「いいじゃない。わたしがそうしたいんだから」

「うーん、わからないわ! でも、なんだかあなたがカッコよくみえてきちゃった。あたしも薬には知識があるの。薬を逆さまに読むとリスク。薬は毒にもなる。どう? あたしも旅に連れて行ってよ!」

 Dr.プリンセスハッピーは少し悩んでから、首を縦に振りました。

「いいわよ! 一緒に旅に行きましょう!」

「本気かい? ハッピー?」

 ラッキーはびっくりしました。もしかしたら赤ずきんが悪いことをたくらんでいるかもしれないからです。

「旅は大勢の方が楽しいもの!」

 Dr.プリンセスハッピーの旅はまだまだ続きます。


おわり