帰社してすぐ、休憩に席を立った先で雅也と鉢合わせした。彼もコーヒーを買いに来ていたらしく、自販機の前でにっこりと笑いかける。
「こちらこそ、まさか自分がこんな大きな仕事を任されるなんて夢にも思ってなかったけど、いい経験になったよ。あとは結果だね。ふ〜ドキドキするっ!」
今日、この後の仕事は緊張で何も手につかなそうだ。
それに、コンペは終わったけれど、私にはまだ気にしなくちゃいけないことがあるんだし……。
「あゆり、あのさ。この間言ってたお疲れ様デートだけど。あゆりの家に行ってもいい?」
「えっ?」
まさか今、デートの話を持ちかけられるとは思ってもいなかったので、廊下とはいえオフィスで素っ頓狂な声を上げてしまう。
「い、家……? 私の?」
「うん。だめかな?」
「いや、だめじゃない、よ」
良い歳した大人のデートでお家デートをしないなんて、そんなこと誰も考えるはずがない。一人暮らしだし、断る理由だってない。付き合う前も付き合ってからもまだ一度も雅也を家に呼んだことはなかった。本来ならいつでも来ていいよと言うところだったのに、今の私が答えに渋るのはもちろん、湊の存在があるからだ。
湊ってうちから出られないんだよね……。
姿を消すことはできても、私の家から出ることはできない。となれば、雅也が家に来たときにも必然的に湊が居合わせることになってしまう。
それってなんだか……すごく、二人に後ろめたい気持ちにならない?
「こちらこそ、まさか自分がこんな大きな仕事を任されるなんて夢にも思ってなかったけど、いい経験になったよ。あとは結果だね。ふ〜ドキドキするっ!」
今日、この後の仕事は緊張で何も手につかなそうだ。
それに、コンペは終わったけれど、私にはまだ気にしなくちゃいけないことがあるんだし……。
「あゆり、あのさ。この間言ってたお疲れ様デートだけど。あゆりの家に行ってもいい?」
「えっ?」
まさか今、デートの話を持ちかけられるとは思ってもいなかったので、廊下とはいえオフィスで素っ頓狂な声を上げてしまう。
「い、家……? 私の?」
「うん。だめかな?」
「いや、だめじゃない、よ」
良い歳した大人のデートでお家デートをしないなんて、そんなこと誰も考えるはずがない。一人暮らしだし、断る理由だってない。付き合う前も付き合ってからもまだ一度も雅也を家に呼んだことはなかった。本来ならいつでも来ていいよと言うところだったのに、今の私が答えに渋るのはもちろん、湊の存在があるからだ。
湊ってうちから出られないんだよね……。
姿を消すことはできても、私の家から出ることはできない。となれば、雅也が家に来たときにも必然的に湊が居合わせることになってしまう。
それってなんだか……すごく、二人に後ろめたい気持ちにならない?



