結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない

「腕を組め」
「は、はいっ」
 暁良に緊張しすぎだと笑われた沙紀は、そんなこと言われたって緊張するものは仕方がないと自分に言い訳した。

 今日は大輝が18時から合コンに参加する日。
 夏目のリサーチを元に、暁良とのラブラブを見せつける作戦を決行するために街へやってきた沙紀は、ラフな姿でも人目を引いてしまう暁良の姿に肩をすくめた。

「どうした?」
「高貴なオーラは隠せないんだなと」
「なんだそれ」
 笑いながら暁良は沙紀を覗き込む。
 イケメンの近すぎる顔に沙紀は思わず照れてしまった。

『改札を出ました』
 夏目からのメッセージを見た暁良は沙紀に「来たぞ」と教える。
 沙紀は深呼吸をすると、暁良にくっついた。

「次はどこがいい?」
「暁良さんが行きたいところならどこでも」
 大輝のことは気づいていないふりをして駅前を二人で歩く。

「どこでもなんて言っていると、ホテルに連れ込むぞ」
 冗談ばっかりと沙紀が笑うと、おでこでチュッと音が鳴る。
 それはやりすぎでは?
 演技だとわかっているけれど、心臓が持たない!
 真っ赤な顔で暁良にしがみつきながら、沙紀はゆっくりと駅前を通過した。


「……沙紀? は? なんだよ、なんで土曜まで」
 目の前を通過した沙紀の姿に、大輝は目を見開いた。
 一緒の男はうちの会社のCEO。
 土曜まで一緒なんておかしいだろう。

 合コンまではまだ時間がある。
 大輝は少し間を空けながら二人を尾行することにした。

「おしゃれしやがって」
 俺の時はズボンが多かったくせに、あんな花柄のスカートとか反則だろう。
 髪も巻いたことなんてなかったくせに。
 後ろから見ても沙紀は意外とスタイルがいい。
 スラッとしているがウエストは引き締まり、足も細い。
 くっそ、なんで付き合っている時にそういう服装しなかったんだよ。

 俺とは腕を組んで歩くこともなかった。
 街で買い物もしばらくしていない。
 そういえば、ここ半年くらいは会うのはほとんど家で、沙紀の手料理を食べて寝るくらいしかしていなかった。