仲良し家族は嘘だらけ⁉

 今度は大聖も一緒になって、かしこまった感じで私に向かってお辞儀をする。

 う、嘘だよ、こんなのいつもの二人じゃない。

 律兄ちゃんは「自慢の妹だ」って言ってくれるのに。大聖の憎まれ口だって。今までこんなにおとなしくなかったじゃない……!

 目の前に広がる現実が受け止めきれなくて、頭がふらっとする。

 つまりはこういうこと?

 私は東雲だか何だかのケンカグループのリーダーを引き継ぐんだから、さっさと婚約者を決めろ。そしたら、グループが安定するんだからって? ついでに、お兄ちゃんたちが家族だったのは嘘で、ほんとは婚約者候補だって?


「……ふっざけんな」


 頭の中でぐるぐる考えてたら、ふつふつとおなかの底から怒りが込み上げてきた。

 そんなのって無責任じゃない?

 護衛なんて私、頼んでない。婚約者なんて欲しくない。それに、みんなずっと私に嘘ついてたなんて……。

「お嬢?」

 お兄ちゃんが眉を下げて聞いてくる。私はそれを無視してぎゅっとこぶしを握った。

「最低だよ! みんなそろって。全然意味わかんない!」

 私は勢い余って立ち上がった。

 長い間、拍子抜けしてたから足がおぼつかない。だけど、ぐっと力を入れて踏ん張った。

「私の家族を返して!」

 思いのままそう叫ぶと、ふすまをバンッと開けてそのまま飛び出した。

 見たくない現実が見えないように。