なんて思ってた私がバカでしたーー!

「父さんに秘密にするとは何事だ! しかも敵をわざとにがした⁉ お前は危ないところだったんだぞ!」

 真正面から怒号が飛んでくる。

 こうやって怒られるの、もう三日目だよぉ!

 一緒に怒られてる大聖がバカなやつって、呆れた目を向けてくる。

 お父さんがご立腹なのはほんとにそりゃそうな話で。

 娘がいつの間にか敵の西明かりに誘拐されそうになってて、お兄ちゃんと大聖が助けてくれたのはいいものの、自分から敵を逃がしちゃうっていうことをやってのけてしまったんだ。

 その斗真くんは今も変わらずふつーに学校で私の隣に座ってるし。

 性格はあの件からちょっとおとなしくなったけど。

 いやね、最初は黙ってようと思ってたんだけど、嘘つくのには限界があって。

 何もないって言っても、私は服が汚れてるし、大聖とお兄ちゃんは傷つくってるしで、即バレしちゃった。

 そしたら、毎晩こんな感じで三人まとめてお説教。

 お父さんには誰もかなわないよぉー!