それを聞いてお兄ちゃんたちは困ったように顔を見合わせて。

 仕方なさそうに手を離した。

「困った妹だ」

「しゃーねえな」

 解放された斗真くんがハッと乾いた声を出す。

「なにそれ。聞いたことないって。リーダーの娘が敵を助ける……?」

「それがみくってやつだ。斗真、感謝しとけ」

 大聖がふっと笑って斗真くんの背中をたたく。

 その拍子に力が抜けたのか斗真くんは座り込んじゃった。

 よ、よかった! 斗真くんの身が危ないことにならずに済んだ!

 私はほっと胸をなでおろす。

「それで、みく。帰ったら父さんにどう説明するつもりだ? 東雲みんな、大騒ぎだぞ」

 お兄ちゃんがはあって息をつく。

 私は顔の前で手を振った。

「大丈夫大丈夫。いい感じに話を合わせて、このことは秘密にしておけばいいって!」