「今日集まってもらったのはほかでもない。みくに話す時が来たからだ」

 和室の中で机を囲ってお父さんが重い口を開く。

 その隣にはうなずくお母さんと、いつになく緊張した顔の(りつ)兄ちゃんと『似てない双子』の大聖(たいせい)

 みんなが私の前にかしこまって座っている。


「みくには、婚約者を選んでほしい。この二人の中から」


 さっきから頭の中が真っ白だ。

 お父さんの声がどこか遠いところから聞こえる気がする。

 お兄ちゃんは座りなおすと真面目な顔で私を見つめた。

「お嬢、どうかお願いいたします。私たちの次期リーダーとして」

 ど、どういうことーーーー⁉