忘れられなかった初恋が、40歳で叶ってしまった

観覧車を降りると、こもった空気がひんやりと絵奈の頬を刺した。

今日は別れを言うつもりで会いに来たのに。
もっと祐太郎に触れていたい。
絶対に離れたくない。

そんな気持ちが勝ってしまう。
身籠る前に、祐太郎にもっと近づきたい。

「絵奈、あのさ…」
「祐太郎君」

祐太郎と絵奈が同時に口を開いた。
2人は気まずそうに見つめ合った。

絵奈の右手の中で、祐太郎が手のひらをくすぐるようにしてきたから、絵奈も同じようにやってみせた。

気持ちが通じ合ってる感じがした。
2人は照れくさそうに同時に呟く。

「続き、、、してみる?」


平日昼間、すぐにビジネスホテルに入ることができた。

いざ部屋に入ると絵奈は緊張してお茶の位置確認やアメニティのチェックなどをして場を誤魔化してしまう。
「祐太郎君、これ見て!めぐりズムが置いてあるよ?使う?」

祐太郎はめぐりズムを受け取る瞬間、絵奈の右腕を捉えた。
「つかまえた」

そのままベッドに押し倒して、少し強めにキスをした。
「祐太郎君、シャワーだけ浴びさせてよ…」
祐太郎は絵奈のおでこにキスすると

「ごめん、無理」

真顔で答えて、そのまま首筋まで、胸元まで、絵奈との時間の空白を埋めるかのように、絵奈のことを離さなかった。



絵奈は祐太郎の思いに身を委ねながら、頭を優しく撫でて、指を絡めた。

祐太郎の体温は世界で一番心地よくて、自分と祐太郎の区別が、付かなくなってしまった。