半妖の九尾の狐は神巫女を独占中

助けた狐も、勾玉を渡したのも玖夜様・・・?



その事実を知った時、朧気だった初恋の人の顔を思い出す。



紫ががった銀髪に、切れ長の瞳・・・それは、玖夜様そのものだった。



つまり、私の初恋の相手は玖夜様だったようだ。



そして、その初恋相手である玖夜様から好意を向けられているという状況にあるのだと理解した瞬間、顔に熱が集まりゆでダコのように赤くなっていく。



初恋の人と重なる所が多いなとは思ってたけど、まさか玖夜様だとは思わなかった。



玖夜様からの告白も戸惑ったけど嬉しかったし、好きという気持ちがないという訳ではない。



それでもなお答えを出せなかったのは、初恋の人を引きずっていたからだ。



玖夜様が初恋の相手だとわかってしまった今、玖夜様に対する感情が明確なものになる。



「あの時からなんだ。悠乃を好きになったのは。・・・もしかして、気付いてなかった?」



「え・・・あ・・・はい・・・気付きませんでした・・・」



「悠乃は鈍感だからね、気付かなくても無理はないか」



困ったものだ、と言わんばかりの玖夜様に私はドキドキと胸が高鳴る。



玖夜様の気持ちに応えたい、そんな気持ちが膨れ上がっていく。



「あの・・・玖夜様」



「ん、なに?」



身を乗り出して玖夜様の名前を呼ぶ。



私の想いを口にしようとした瞬間、玖夜様は半妖で神様である事を思い出す。



私は人間、相手は半妖で神様・・・種族が違いすぎる。



この想いを伝えるのは、身を程を知らない行為なのではないのだろうか。



「・・・・・・いえ、なんでもありません・・・」



そんな事が頭をよぎり、溢れかけていた言葉に蓋をした。