半妖の九尾の狐は神巫女を独占中

「あ、あの・・・玖夜様・・・?」



「さっきの所、3番と5番の動きが混ざっていたよ。腕は上げすぎないで。足のステップは合ってるからそのままで。・・・はい、やってみて」



「はっ・・・はい・・・!」



手首を掴んで舞いの動きを示したあと、すぐに離れる玖夜様。



背中に感じていた温もりが遠のいてしまうのが名残惜しく感じた。



それと同時になんでそんな風に思ったのか不思議に思いながら練習に打ち込んだ。



「・・・うん、今日はこのくらいにしようか」



「え、でもまだ振り付けを間違えちゃうのでもう少し練習したいんですけど・・・」



「まだ1週間もあるんだから、ゆっくり覚えよう。大丈夫、ちゃんと振りは頭に入ってるから」



練習切り上げの言葉に不安がると、私を安心させるように頭を撫でる玖夜様。



顔を上げると、愛おしそうに私を見る玖夜様と視線が合う。



“好きみたい、じゃなくて好きなんだよ。悠乃の事が”



あの時告げられた言葉がリフレインしてくるような視線に、思わず目を逸らした。



「・・・悠乃、どうしたの?顔赤いよ?」



「いえっ、なんでもありませんっ・・・!!」



頭を撫でていた手を止めて、私の事をのぞきこんでくる玖夜様。



その顔を見ていると、想いを告げられた時の慈しむような真剣な瞳が思い出されて恥ずかしくなってくる。



「・・・赤くなっているのは私のせいかな?だとしたら嬉しい。そうやって、もっと私の事を意識して欲しいな」



玖夜様は私の頬に手を伸ばし、自分の方に視線を合わせるように私の顔をあげた。



玖夜様と正面から向き合う形になり、頬に熱が集まっていく。



「そんなに可愛い顔をしないで。早く自分の物にしたくなってしまう」



玖夜様はたまらない、と言わんばかりの視線を向けて私の額にキスを落とす。



その感触に思わず声が出てしまった。



「・・・あまり私を煽らないで。制御が効かなくなってしまう。・・・ほら、今日はもうお休み。私が獣になってしまう前にね 」



「は、はい・・・!!」



私を解放した玖夜様はいつもと変わらない笑みを浮かべて部屋を出ていくように促す。



私は、素直にそれに従いその場から離れた。