琥珀ちゃんが男子トイレに入ったのを目撃してから数日経ったある日。
体育の授業の前に職員室に呼ばれた私は、急いで更衣室に向かうために近道を通っていた。
普段はあまり使わない教室の前を通っていた時、教室の中に誰かが着替えている姿が見えた。
その姿は私がよく知る人物──琥珀ちゃんだ。
だけど、彼女は上半身裸で下は男物のボクサーを履いていた。
女の子にあるものが琥珀ちゃんには見当たらない。
その事実に直面した私は、その場から急いで立ち去る。
そして、息を切らしながら現実から逃げるように走った。
なにかの間違いだ、そうに決まっている。
琥珀ちゃんが、男の子だなんて──・・・!!
頭が、心が、その事実を受け入れることを拒否している。
だけど、どこかでわかっていたのかもしれない。
着替えやトイレに一緒に居なかった事、男子トイレに入っていった事。
わかっていてなお、気付かないふりをしていた。
気付いてしまったら、琥珀ちゃんは私に嘘をついていたと実感してしまうから。
走るのがつらくなり、その場に立ち止まって壁に手をついて前かがみになる。
激しく息が切れ、呼吸が苦しい。
それと同時に、玖夜様の言っていた“私に悪意を持っている”という言葉もその通りなんじゃないかと考えてしまい、胸が締め付けられるように苦しい。
私が信じていたものに裏切られたような痛みが走る。
「琥珀ちゃん・・・」
だけど、琥珀ちゃんは何かを企んでいるわけじゃないはずだ。
男の子だったとしても、私に隠していたのだってなにか理由があるはず。
大丈夫、大丈夫・・・まだ、裏切られた訳じゃない。
ただちょっと、隠し事をしていただけ。
私に悪意を向けている訳じゃない。
そう思いながら、これ以上は考えないようにした。
体育の授業の前に職員室に呼ばれた私は、急いで更衣室に向かうために近道を通っていた。
普段はあまり使わない教室の前を通っていた時、教室の中に誰かが着替えている姿が見えた。
その姿は私がよく知る人物──琥珀ちゃんだ。
だけど、彼女は上半身裸で下は男物のボクサーを履いていた。
女の子にあるものが琥珀ちゃんには見当たらない。
その事実に直面した私は、その場から急いで立ち去る。
そして、息を切らしながら現実から逃げるように走った。
なにかの間違いだ、そうに決まっている。
琥珀ちゃんが、男の子だなんて──・・・!!
頭が、心が、その事実を受け入れることを拒否している。
だけど、どこかでわかっていたのかもしれない。
着替えやトイレに一緒に居なかった事、男子トイレに入っていった事。
わかっていてなお、気付かないふりをしていた。
気付いてしまったら、琥珀ちゃんは私に嘘をついていたと実感してしまうから。
走るのがつらくなり、その場に立ち止まって壁に手をついて前かがみになる。
激しく息が切れ、呼吸が苦しい。
それと同時に、玖夜様の言っていた“私に悪意を持っている”という言葉もその通りなんじゃないかと考えてしまい、胸が締め付けられるように苦しい。
私が信じていたものに裏切られたような痛みが走る。
「琥珀ちゃん・・・」
だけど、琥珀ちゃんは何かを企んでいるわけじゃないはずだ。
男の子だったとしても、私に隠していたのだってなにか理由があるはず。
大丈夫、大丈夫・・・まだ、裏切られた訳じゃない。
ただちょっと、隠し事をしていただけ。
私に悪意を向けている訳じゃない。
そう思いながら、これ以上は考えないようにした。



