孤高の総帥は初めての恋に溺れる

碧斗はシンガポールの歴史についても教えて
くれた。

イギリスの植民地からマレーシア連邦が独立
しシンガポールはマレーシア連邦の一部と
なりその後マレーシアから独立するのだが、
独立したのはまだほんの６０年ほどらしい。

大半はイギリスの統治であったらしいが、
第2次大戦中日本が統治していた時も
あるらしい。

シンガポールは多民族国家で、東南アジア
の中心に位置している。位置的に有利な事
と自由貿易で開かれた経済を確立し
教育水準も高いと言う。

資源の乏しい都市国家は日本と似ている
気がするが、経済力も素晴らしく発展
してきたそうだ。

格付け機関のＡＡＡ（スリーＡ）も獲得
していると言っていた。

そんなことも一応書き込んでおく。

とっても美味しい中華料理に満足していると
碧斗が“本当に穂香は美味しそうに食べる
なあ”と言って笑っている。

我が家の家訓“出されたものは残さず食べる”
なので、レストランでも食べられる量を
いつも考えてオーダーする。

ブッフェなどでもよく考えて取ってこないと
親に叱られた。

絶対に残すという選択肢はないので、妹が
珍しいからととってきた料理が辛くて
食べられないときでも、親がちゃんと食べて
くれていた。

そんな風に育った穂香は食べる事にも真剣に
なるのだ。

それに何といっても食べること大好きだ。

そういうと、碧斗は”素晴らしいご両親だな
“と言ってくれた。

そう言った碧斗の瞳が悲しそうに揺れた
ように思った穂香は、それ以上家族の話は
しない方が良いように思われて口を噤んだ。