孤高の総帥は初めての恋に溺れる

この後碧斗はシンガポールフライヤーに
連れて行ってくれると言っていた。

フライヤーとは巨大な観覧車だ。

穂香は乗ってみたいと思っていたのでとても
楽しみだ。

何でも１周するのに３０分かかるそうだ。
その後夕食を食べてナイトサファリに行く
予定なので、カジュアルな白のオールイン
ワンのパンツスタイルに羽織るものを
ジャケットにした。

ジャケットがあれば食事場所が少し改まった
レストランでもOKだろう。

碧斗の連れて行ってくれるレストランなので
用心に越したことはない。

ドレスコードでアウトになるのは申し訳
ない。

斜め掛けのバックをかけてジャスト１時間後
にフロントに着いた。

碧斗はもう来ていた。

立ち襟のブルーグレイの麻のシャツに白い
コットンパンツを合わせている。

真っ白のボタンを２個開けて着ているので
男らしい鎖骨が見えて穂香はドキドキして
しまった。

ぴったりとフィットしたシャツだが、厚い胸
と平らな腹部がセクシーな体を強調していて
本当に目のやり場に困る。

碧斗はファッションモデルなのだろうかと
穂香は思っている。

「お待たせしました」

「僕も今来たところだよ。穂香はもっと時間
がかかると思っていた。時間に正確だね」

「碧斗さんのお付き合いされているような
女性はきっと支度に時間がかかるような美女
ばかりなんでしょうね。私はシャワー浴びて
髪の毛乾かして少しお化粧して服を着れば
準備完了なんで」

そういって笑う穂香が愛おしい。