孤高の総帥は初めての恋に溺れる

そして碧斗が２８歳の時今から４年前に
ラッセルグループの総帥を碧斗に譲り
引退してしまった。

一応相談役という形でグループに名を
残してはいる。

しかし祖父から後を託された碧斗は、
この４年ラッセルグループの重役達に
認められるために碧斗は身を粉にして
働いた。

東京、シンガポール、ロンドン、
ニューヨークを回りながら、息つく暇も
なかった。

２年前にシンガポールのアイランドリゾー
トを手掛けて、オープンさせたことで評価
を受け碧斗の総帥としての立場を不動の物
とした。

今回のR797Xの開発でもその手腕は
認められ世界中にラッセルグループの
名前を知らしめたのだ。

でも、碧斗はこの４年走り続けた自分に
少しの休憩を与えるべく今回アイランド
リゾートに２泊の予定で滞在することに
しているのだ。

アイランドリゾートを本当の意味で
楽しみたかったという事もあるし、
自分の手掛けたこの島でゲストが
どんな様子で楽しんでいるのか
そんな人々の様子も見たかったという
理由もあった。

４年間ほとんど休みなく働き続けて来て
たった３日の休日だ。

でもまたあの彼女に会えるかもしれない
と淡い期待をしている。

アイランドリゾートに戻る前に市内の
イザベラホテルに寄る用事があるので
そこで夕食も済ませて行こうとジョナ
サンと話している。

イザベラホテルは祖父のアーサーが一人
娘の名前を付けたものを何か欲しがった
ので、碧斗は、ではホテルを作っては
どうかと祖父に提案した。