孤高の総帥は初めての恋に溺れる

そうしてその1週間後、ここはロンドンの
ラッセル家の大広間。

碧斗と穂香の婚約式のパーテイが行われて
いる。

穂香はお爺様が用意してくれたコーラル
ブルーのオフショルダーのドレスに身を包み
オフホワイトのスーツに穂香のドレスと同じ
布地のコーラルブルーのベストを合わせて
いる碧斗にエスコートされている。

碧斗の瞳の色のようなブルーのドレスは胸の
上部に刺繍が施されびっしりとビジュ―が
縫い付けられている。

ウエストから下はシフォンのチュールレース
ですとんとした見た目なのだが、何重にも
重なった布が動くとひらひらと華やかに
広がる。

碧斗とのダンスにクルﾂと回るとスカートが
ふわっと広がってとてもエレガントなのだ。

穂香は日本で碧斗にダンスの手ほどきを
受けて何とか踊れるようになったのだ。

お爺様は穂香に宝石まで用意してくれて
いた。

控えめなダイヤのテイアラに、二重になった
ダイヤのネックレスの先には大きなブルーの
サファイヤがメレダイヤにぐるっと囲まれて
いる。

耳元にはサファイヤのピアス、全て碧斗の
色だ。

靴までブルーだ。オープントｳの靴の甲の部分
にもビジュ―がついている。

頭の先からつま先まで碧斗の色できらきらに
飾られた穂香は、お爺様の気合を感じて怖く
なってしまった程だ。

お爺様はよく似合っていると言ってデザイナ
ーと一緒になって大喜びしていた。

呆れて見ていた碧斗だが、穂香の美しさに
ついつい頬が緩むのを抑えきれずに、終い
にはデレデレになっていて、お爺様や
ジョナサンにまで揶揄われていたが、口元を
綻ばせたままだった。