ゆりかごは、この手でゆらしましょう

私は、私の心に
穴が空いていることに気づかなかった。

他人の気持ちを優先してばかりで、
自分の気持ちにフタをして生きてきたことにさえも。

「甘えたい、抱きしめてほしい」
「ゆりかごをゆらしながら、優しくなでてもらいたい」

あなたは、そんな私の
隠された願いを”叶えるフリ”が巧かった。

私はあなたにとって
都合のいい女だと知りながら
「偽りの恋人」を演じてしまった。

私、怖かったんだ…。

傷つくことも、嫌われることも、
私をあやしてくれる存在を失うことも。