ゆりかごは、この手でゆらしましょう



「サヨナラ」

あなたにそう伝えるときの私は
もっと泣きじゃくると思っていた。

ドラマの別れのシーンのように
劇的なんだと思っていた。

けど、現実は驚くほど淡泊だった。

「Sayonara.」

私は機械のようにその言葉を口にした。
私の心には、さざ波さえ訪れなかった。