イケメンから抜け出したい

ぶつかりそうになりながらも、間一髪で避ける。





顔をあげると、いかにも頭が良さそうな人たちが三人。




他に先輩が二人ほどいる。





たぶん、特待生たちの場所なんだろう。





よく見れば、『特待生』と書かれた看板のようなものがある。










「玲央、その子だれ?」




喋った人を見ると、背の高い、センター分けの先輩。





「あめちゃん。この子特待生だから連れてきた」




「あめちゃん?特待生!?これが?」




センター分けの先輩はいろいろ疑問を持ったみたいだ。




「あの、私あめじゃなくて、あやめです。岩倉菖蒲です」





「ふーん、菖蒲ね。で、特待生なの?ガチで?」




センター分けの先輩はすっごい疑ってくる。





私、そんなに頭悪そうに見えるのかな。





それとも、顔が悪い……?





この人、どういう意味で聞いてくるんだろう。