イケメンから抜け出したい

「えっ」




翠寧がそんな反応をする。




もちろん、私も。





F組ってわざと言ったのに、なんでわかったんだろう、この人は。





「ウソなのバレてるからねっ、翠寧ちゃーん」





生徒会長は、ウインクしかねない口調で言った。




ちらっと翠寧のほうをみると、思いっきり睨んでいてちょっと怖い。





「なんでわかったかって?」




聞いてないですけど。





「あめちゃんの表情が豊かすぎたんだよ」




「えっ、私、?」




自覚がなさすぎてびっくりする。





「だからF組の欄は見なかった!」




清々しい。



ほんと、これに限る。





「あーやーめー?」




横から、鬼のように低い声が聞こえる。




「ひっ」





怖い。



もう怖いしかでてこない。






たぶん、今私の横にいるのは鬼かなんかだと思う。






「翠寧っ、はいC組のとこ!」