イケメンから抜け出したい

「あめちゃーんっ」




少し遠くで、声が聞こえた。




この声と呼び方は、生徒会長(?)だ。




ちょうどいいかもしれない。




知り合いで、かつ生徒会長なら頼れる。




生徒会長が隣に来たときに、生徒会長が口を開くよりも先に私が喋りだした。





「あのー、クラス分けの紙に───」





「ああ、ごめん言い忘れてた。特待生はそれには書いてないんだよ」





「はっ?」




なんで?




「あっはは、そうだよね意味わかんないよね。あとで説明するから、あめちゃんはあっちの方行ってね」





そう言って、六つの人間アーチの横を指差した。




えー、ちょっとガッカリかも。




人間アーチ、ぐぐるの楽しみだったんだけどな。






「結局、君は佐野なにちゃんなのー?」




生徒会長はそう言って、翠寧の顔をのぞき込んだ。