イケメンから抜け出したい

そう張り切ったけど、私の名前探すのはわりと簡単。




だって、苗字が岩倉だから。



だいたい出席番号は上のほう。





翠寧は佐野だから、真ん中らへんなのかな。



探すの大変そうだな。









そう思いながら探すこと二分ほど。














「私C組だったよ、菖蒲は?」





そう言った翠寧に、私は声を震わせながら言った。




「ねえ嘘、私の名前ないんだけど」




「え?そんなことある?」





翠寧は、信じられない、というふうに私の名前を探してくれている。





だけど、本当にないのだ。




だいたいは、五番目以内にはいるのに。






なさすぎて、全クラスの最後まで見た。




「本当にないね、岩倉だから最初のほうにいるはずなのに」





そう、本当に、ないのは絶対におかしい。





そのとき────