イケメンから抜け出したい

生徒会長かもしれないという情報は言わないでおくことにした。




もし間違っていたら嫌だし。




それに、あの人が生徒会長だなんで、未だに信じられていないから。







「ご入学おめでとうございまーす」




遠くから声が聞こえた。




和泉学園の先輩の声なんだろう。



もしかしたら先生かもしれないけど。






「すいねっ、楽しみだねえ」




「そうかもね」





そう言った翠寧は、やっぱり楽しそうな顔をしていた。




素直じゃないけど、それが翠寧。









「ご入学おめでとうございまーす!」





声が、大きくなってきた。





もうすぐだ。







校門に足を踏み入れたとき。






「うわーっ、すごい」





目の前の光景に、思わず声をあげる。





校舎の窓に張り付けてある、『入学おめでとう』の文字。