イケメンから抜け出したい

現生徒会長だ。





「えっ、私のこと、ですか……?」





『あめちゃん』が私のことではないとわかっているけど、明らかに、生徒会長の視線が私に向いている。





「そうだよ、今日入学式でしょ」






中三のときに、和泉学園について教えてくれたときの生徒会長と全然違った。




校長室に入ってきたときの、生徒会長だ。







対応に困って、翠寧の方を見たけど。




興味ナシ。




こっちのほうをちらりとも見ず、窓の外を見つめている。




翠寧らしいけど。







「あれ、あめちゃん?シカト?」





生徒会長が顔をのぞき込んでくる。





絶対こんなキャラじゃなかったよ、この人。





「あの私、アメじゃなくてアヤメなんですけど……」





「あっははー、知ってる知ってる。アヤメちゃんでしょ、でもあめちゃんのほうが呼びやすいし」