イケメンから抜け出したい

それでも、余裕で合格。





「やっぱり、翠寧には敵わないや」





思っていたことを口に出して、部屋のドアを開けた。





「なにがよ。全部菖蒲のほうが上だっての」





まるで、私の心の中をよんでいた、みたいに。




「その制服、めっちゃ似合ってるね」




和泉学園の制服は、すごく翠寧にぴったりだ。





白のブラウスに、赤色のネクタイ。



グレーで統一された、ブレザーとスカートは、翠寧の雰囲気に合っていた。






「この制服可愛いね、やっぱり。和泉学園にしてよかったかも、菖蒲もいるし」




「ええー、嬉しい。私も、あの話断んなくてよかったー。まあ私は翠寧がいればいいからっ」




そう言い合いながら、私たちは家を出た。




「いってきまーす」




「いってらっしゃーい。お母さんも後でいくから!」




聞こえてきたお母さんの声を流して、翠寧と家を出て、電車に乗る。