イケメンから抜け出したい

「では中へ」



靴をその辺に置いて、用意されたスリッパを履く。





さっきからずっと思っていたけど、やっぱりこの学校、相当お金持ちなんだろう。




こんな一般庶民が侵入していい場所じゃない。






急に、緊張で体がうまく動かなくなる。



寒いのもあるのかもしれないけど。







無駄にお金のかかった、『校長室』という文字。




その下を通って、私たちは椅子に座った。







「もうそろそろ志望校を確定させる時期なのですが、岩倉菖蒲さんには、この和泉学園に特待生として来てもらいたい」





断るつもりで来たのに、言葉が出てこない。




別に睨まれているわけでもない。



むしろ、校長の顔はにこやかだ。




だけど、『絶対に断らせない』




そんな信念が伝わってくる。









お母さんも同じ気持ちでいるのか、あまり喋らない。