イケメンから抜け出したい

遅いから早くしてほしい、とか思っているんだろう。




私は、もう意識が戻ったお母さんの手を離した。



一人で歩いて来られるはず。







私は小走りで、イケメンの人の隣まで来た。







着いたところは、校門とは真反対の場所だった。




校門からは見えない、校舎の裏側。




風通しがいい場所で、アーチ状の校舎の真ん中を、冷たい風がびゅーびゅー吹いてくる。





「ん?え、私、玄関って、言ったんですけど……」





玄関まで案内してもらったはずなのに、ここは、どう見ても壁にしか見えない。




なにここ。





「ここ玄関」





先程と変わらず、平坦な声で言われた。





「玄関!?」





いや、さすがに嘘でしょ。






ただの茶色い壁。




インターホンもなければ、取っ手のようなものもない。