悲劇のセイレーンにささやかな愛を






土曜日。

いつもならくつろいでいるだろうこの時間。



「澪っ、準備できたか?」



声をかけるとコクコク、と頷いた澪は、いつもよりもオシャレな格好で髪もハーフアップにされていた。


事の発端は昨日。

彩芽から「明日の花火大会みんなで行かない?」と声がかかり。

俺、澪、秋斗、凰牙、彩芽の5人で隣町へ出かけることになった。


ただ今朝の10時。

家を出る……前に。



「可愛すぎないか……?」

『だめ?』

「……ダメじゃないけどダメ」

「???」