悲劇のセイレーンにささやかな愛を






朝。



「?……」

「どうした、澪」

『いや!なんでもない』



そう笑ってノートを見せながら、靴下のまま廊下を歩いていく澪。



「いやちょっと待て、上履きは?」

『失くしちゃったみたい。どこに置いてっちゃったんだろ』

「失くした?……バカか?」

『ひどいよ!』

「ごめんって」