「なあ、氷翠。お前も大和君が婚約者で、良かったなあ」
お父さんの言葉に顔を上げる。
「うん。でもお父さん、娘が私じゃなかったら、その発言嫌われるよ」
お父さんの顔が真っ青になる。
「嫌わないでくれ、娘よ」
「もう、お父さんったら、はしたないですよ。氷翠も、いじめないであげて」
「はーい」
こんな政略結婚するような家でも、仲は普通にいいのだ。
私も、お父さんとお母さん好きだし……。
「そういえば今度、二人の学校が交流会をするんじゃなかったかしら」
「ああ、そうだったな」
「ふふ、楽しみだわあ。大和君、氷翠と仲良くしてくださいね。」
「ええ、こちらこそ、喜んで」
「はは、良かったなあ氷翠」
両親の言葉が頭に入ってこなかった。
交流会……ということは、あの人も来るのだろうか。
庭園であった、男の人の姿が頭をよぎる。
「氷翠?」
「ああ、ごめんなさい。交流会のことを考えてた」
慌てて返事をする。
いけないいけない、婚約者の前でほかの男の人のことを考えるなんて。
それでも、あの消えそうな笑顔が、私の頭から離れてくれることは無かった。
お父さんの言葉に顔を上げる。
「うん。でもお父さん、娘が私じゃなかったら、その発言嫌われるよ」
お父さんの顔が真っ青になる。
「嫌わないでくれ、娘よ」
「もう、お父さんったら、はしたないですよ。氷翠も、いじめないであげて」
「はーい」
こんな政略結婚するような家でも、仲は普通にいいのだ。
私も、お父さんとお母さん好きだし……。
「そういえば今度、二人の学校が交流会をするんじゃなかったかしら」
「ああ、そうだったな」
「ふふ、楽しみだわあ。大和君、氷翠と仲良くしてくださいね。」
「ええ、こちらこそ、喜んで」
「はは、良かったなあ氷翠」
両親の言葉が頭に入ってこなかった。
交流会……ということは、あの人も来るのだろうか。
庭園であった、男の人の姿が頭をよぎる。
「氷翠?」
「ああ、ごめんなさい。交流会のことを考えてた」
慌てて返事をする。
いけないいけない、婚約者の前でほかの男の人のことを考えるなんて。
それでも、あの消えそうな笑顔が、私の頭から離れてくれることは無かった。


