スケートしてる、君がすき。

 呆然としているわたしよりも先に反応したのは、ずっと黙っていた美悠だった。


 「さっくん? それは危なすぎるよ」
 「いや、陽葵なら絶対できる」


 ⋯⋯え? いや、だって、え?

 ジャンプって、やりたいからやれるってものでもないんじゃない?
 美悠だって止めてるし⋯⋯。

 それに、わたしにそんな才能ないし⋯⋯。

 「⋯⋯1回これ、見よう見まねでやってみて。無理だと思うならやらなくていいから」
 「さっくん! ダメだって!」

 美悠の制止の声を振り切り、京朔也がジャンプの助走に入る。

 エッジが氷を削り、フワッと半回転をして、降りてくる。
 降りてくるといっても、そんな高くないから、ほんとに、スキップしてる最中に振り向いたみたいな、そんな感じ。

 「これ、スリージャンプね」

 スリージャンプ⋯⋯。
 わたしにできるのかな。

 「はいじゃあ、滑って。
 ⋯⋯それで、いけると思ったら、跳んで」
 「ひーちゃん、無理しなくていいからね。でも⋯⋯がんばって!」








 そしてわたしは、滑り始めた。