「すっ……!!」
ボボッと清春の顔がイヤリングの薔薇のように真っ赤になっていく。
(……あれ? 確か恋人にイヤリングを渡す意味って、”側にいたい”・”貴方を守りたい”じゃなかったっけ……?)
次の瞬間、ボンッと自分の顔が赤くなったのがわかった。
「え!? なんで赤くなってるの!?」
清春に指摘されたけど、今はそんな事は考えられない。
顔が茹でタコの様に赤くなっていく。
「ぃや……だぃじょうぶ……」
顔を手で隠しながら、何とか答える。
「…………ちなみに、意味わかっててこれ選んだの?」
「意味?」
「無意識かぁ……余計恐ろしいね」
「え、なんのこと? 何の話!?」
「いや、清春は知らなくて大丈夫」
「そう言われても気になるよ!」
隣で叫ぶ清春。
そんな清春の手を繋いで、引っ張る。
「ぅわっ!」
「はいはい、早く帰ろ!」
私は赤くなった頬を隠さずに、清春の方を向く。
「……薔薇のイヤリング、ありがと。嬉しかった」
「僕もありがとう。クッキー、食べるの楽しみ」
微笑みながらそう言うと、清春も幸せそうに微笑み返してくれた。
二人で手を繋ぎながら、頬を薔薇色に染めて冬の道を歩いた――。
……後日清春が薔薇の花言葉を調べて、思わずスマホを落としてしまったのはまた別の話。



