「妄想だったのかよ。やばいな」
(誰のせいだと思ってるのよ)
私は黙ったまま涼弥に責任転嫁して心の中で毒づく。この飲みの席で私は涼弥にも同じことを聞いていた。
『彼女作んないの?』
おでんの大根を箸で割りながら聞くと、涼弥はだし巻きを口に放り込みながら、『好きな子いるけどね』と答えた。
思わず『どんな子?』と聞いたら、涼弥は少し言いにくそうにしながら『なんかほっとけない子』と答えた。
その表情が切なそうで涼弥が誰かに片想いしてるのがすぐにわかった。
きっと涼弥がほっとけないと思うほどに小柄で可愛らしい雰囲気で、勝ち気で可愛げのない私とは真逆の守ってあげたいタイプの女の子なんだろう。
そのあとのおでんの味もチューハイの味もよく覚えてない。味がわからなくなって、ただ平然を装うのに必死だった。
涼弥は誰かに恋している。
それは私以外の誰か。
涼弥の恋の物語に私はいない。
(やば、泣きそう)
(誰のせいだと思ってるのよ)
私は黙ったまま涼弥に責任転嫁して心の中で毒づく。この飲みの席で私は涼弥にも同じことを聞いていた。
『彼女作んないの?』
おでんの大根を箸で割りながら聞くと、涼弥はだし巻きを口に放り込みながら、『好きな子いるけどね』と答えた。
思わず『どんな子?』と聞いたら、涼弥は少し言いにくそうにしながら『なんかほっとけない子』と答えた。
その表情が切なそうで涼弥が誰かに片想いしてるのがすぐにわかった。
きっと涼弥がほっとけないと思うほどに小柄で可愛らしい雰囲気で、勝ち気で可愛げのない私とは真逆の守ってあげたいタイプの女の子なんだろう。
そのあとのおでんの味もチューハイの味もよく覚えてない。味がわからなくなって、ただ平然を装うのに必死だった。
涼弥は誰かに恋している。
それは私以外の誰か。
涼弥の恋の物語に私はいない。
(やば、泣きそう)



