今夜は金曜の夜。
恋人がいるならば遠距離じゃない限り一緒に過ごす人も多いのではないだろうか。
(今夜こそちゃんと告おうと思ったのに)
涼弥への罪悪感からそう考えが過ぎるのに、すでに今夜も告白できる気がしない。
そもそも断られるのがわかっているから、いくら酔っていても何回終電を逃して迎えにきてもらってチャンスを作っても、最終的に勇気が出ない。
先日、涼弥と一緒に制作に携わった、ある企業のキャッチコピーが頭に浮かぶ。
──『物語の主人公は自分が決める』
初めて私の案が採用されてすごく嬉しかったけど、同時に落胆する自分もいた。
物語の主人公はいつだって最後はハッピーエンドだけれど、私はこの恋の主人公には決してなれないから。
「てか彼氏に迎えにきて貰えば?」
「いない」
「は? いるって言ってたじゃん」
「願望」
涼弥が彼氏だったらなって何回、何十回思っただろう。先月、涼弥と飲みに行ったとき、『彼氏作んないの?』って言われてショックだったから私は咄嗟に『いるけど?』って答えた。
ようは悲しい見栄を張ったのだ。
恋人がいるならば遠距離じゃない限り一緒に過ごす人も多いのではないだろうか。
(今夜こそちゃんと告おうと思ったのに)
涼弥への罪悪感からそう考えが過ぎるのに、すでに今夜も告白できる気がしない。
そもそも断られるのがわかっているから、いくら酔っていても何回終電を逃して迎えにきてもらってチャンスを作っても、最終的に勇気が出ない。
先日、涼弥と一緒に制作に携わった、ある企業のキャッチコピーが頭に浮かぶ。
──『物語の主人公は自分が決める』
初めて私の案が採用されてすごく嬉しかったけど、同時に落胆する自分もいた。
物語の主人公はいつだって最後はハッピーエンドだけれど、私はこの恋の主人公には決してなれないから。
「てか彼氏に迎えにきて貰えば?」
「いない」
「は? いるって言ってたじゃん」
「願望」
涼弥が彼氏だったらなって何回、何十回思っただろう。先月、涼弥と飲みに行ったとき、『彼氏作んないの?』って言われてショックだったから私は咄嗟に『いるけど?』って答えた。
ようは悲しい見栄を張ったのだ。



