「おはようございます。・・・・・・今日の数学ちょっと憂鬱だな・・・・・・」
いくら憂鬱でも、無表情で挨拶するのも嫌だし、笑顔を添えて一言告げる。
最後にポロッと零れ出たのは本音で、黒板に書かれた時間割のせいだ。
「「「「きゃーっ♡」」」」
「実萌さまの落ち着きっぷり、何日経ってもいい・・・・・・」
「堂々としててかっこいい・・・・・・しかも、挨拶する時にこっとしてくれるの嬉しすぎるファンサなんですけど!」
「あの切れ長の瞳に映りたい・・・・・・」
「実萌さまのあくびシーン撮ったっ!ギャップ!めっちゃ可愛い!」
一部の女の子たちがこっちを見てて、ちょっと身構えたけど悪意はなさそうで安心した。
「あのっ、握手してくださいっ!」
「握手・・・・・・?いいよ」
少しの間握ったら手を離して、またね、といった。
「嬉しい・・・・・・幸せ・・・・・・」
ちなみに、つーくんは隅っこで教科書を読んでいる。
通学中の意地悪加減が信じられないよ・・・・・・。
これぞほんとにロールキャベツ男子ってやつなんだろうな・・・・・・。
ぴーんぽーん・・・・・・玄関で音がなると、目を開けて扉を開ける。
「実萌ー」
「うゅ・・・・・・って、つーくん?ふわぁ・・・・・・」
さっき私を、す、好きとか言ってからかってたのが嘘みたい。
『やっぱり知らないんだ〜』
『実萌のこと』
うぅ〜っ!
声が頭の中に響いて、まっすぐ見れないよ・・・・・・。
「あはっ、“うゅ”って・・・・・・実萌赤ちゃんじゃん。あ、部屋入れてくれね!?家じゃ課題集中できないんだよ・・・・・・この通り!」
「いいよ〜・・・・・・おいでおいで〜」
つーくんを部屋に案内しながら言う。
「いつも以上にゆるゆるだな?何してたの、みーも?」
「うん・・・・・・さっきまで寝てて」
扉を開けながら答えて、さっと青ざめた。
グッズづくりをしてて、片付ける前に寝ちゃってたんだった・・・・・・。
なんていわれるかわかんない・・・・・・どうしよう。
「みーも。入るよー」
「ま、まって!まだ、入らないで・・・・・・」
「何で?」
「隠すから・・・・・・」
「何を?」
「・・・・・・お、推しっ・・・・・・!」
必死で腕を伸ばし、私より大分背の高いつーくんを見上げる。
「・・・・・・絶対入ってやる」
「えーっ!意地悪っ!ヒドい!えーと、えーと・・・・・・ロールキャベツっ!」
思いつく限りの悪口を並べる。
別に悪口はいいたくないけど・・・・・・恥ずかしいっ!
・・・・・・がちゃっ
「「あ・・・・・・」」
うぅ・・・・・・バレちゃった・・・・・・恥ずかしいよ・・・・・・。
「これは何〜?」
「えっ・・・・・・お、お人形・・・・・・キーホルダーの・・・・・・カニカンタイプのやつ」
つーくん、頭いいはずだけど・・・・・・分からなかったかな・・・・・・まぁ、下手っぴだもんね・・・・・・あはは。
「そんなこと見りゃわかるし。これ!なに、こいつ」
つーくんが指を指したのは、るっくんのお人形。
言わずもがな、私の、尊き推しだ。
「えっ・・・・・・るっく・・・・・・え、るっくんのこと知らないの!?嘘!?」
説明しようとして、ふと思った。
るっくんのこと知らない人が、この世にいたの・・・・・・っ!?
「知らねーよ。つーか、実萌って想像以上のオタクだったのな」
が、がーん・・・・・・!
本を一冊抜き取ると、つーくんの前に差し出した。
「丁寧に扱って。この本のファンブック。七三ページから八五ページまで載ってるから、全部見て!」
開いて見せると、つーくんはお人形とイラストを見比べた。
「絵うっま・・・・・・他にはなんか作ってんの?オタク実萌?」
褒め言葉と煽り言葉がセットになったことは気に留めず、目を輝かせた。
こ、これは、興味あり・・・・・・!?
「うんっ!ほら、クローゼットの中に・・・・・・うんしょっと・・・・・・ほらっ!」
「・・・・・・上手い・・・・・・いや、どれもフツーだけど・・・・・・作りすぎだろ」
えっ・・・・・・そ、そうかな・・・・・・つーくんの毒舌には困っちゃうなぁ・・・・・・。
「・・・・・・どっかのオタクさんのせいで忘れてた、課題やる」
あっ・・・・・・そうだった!
「私終わらせたから、教えられるよ!」
「まじで!?」
「るっくんのこと知ってくれるならね」
「はいはい」
よしっ、布教完了だっ!
いくら憂鬱でも、無表情で挨拶するのも嫌だし、笑顔を添えて一言告げる。
最後にポロッと零れ出たのは本音で、黒板に書かれた時間割のせいだ。
「「「「きゃーっ♡」」」」
「実萌さまの落ち着きっぷり、何日経ってもいい・・・・・・」
「堂々としててかっこいい・・・・・・しかも、挨拶する時にこっとしてくれるの嬉しすぎるファンサなんですけど!」
「あの切れ長の瞳に映りたい・・・・・・」
「実萌さまのあくびシーン撮ったっ!ギャップ!めっちゃ可愛い!」
一部の女の子たちがこっちを見てて、ちょっと身構えたけど悪意はなさそうで安心した。
「あのっ、握手してくださいっ!」
「握手・・・・・・?いいよ」
少しの間握ったら手を離して、またね、といった。
「嬉しい・・・・・・幸せ・・・・・・」
ちなみに、つーくんは隅っこで教科書を読んでいる。
通学中の意地悪加減が信じられないよ・・・・・・。
これぞほんとにロールキャベツ男子ってやつなんだろうな・・・・・・。
ぴーんぽーん・・・・・・玄関で音がなると、目を開けて扉を開ける。
「実萌ー」
「うゅ・・・・・・って、つーくん?ふわぁ・・・・・・」
さっき私を、す、好きとか言ってからかってたのが嘘みたい。
『やっぱり知らないんだ〜』
『実萌のこと』
うぅ〜っ!
声が頭の中に響いて、まっすぐ見れないよ・・・・・・。
「あはっ、“うゅ”って・・・・・・実萌赤ちゃんじゃん。あ、部屋入れてくれね!?家じゃ課題集中できないんだよ・・・・・・この通り!」
「いいよ〜・・・・・・おいでおいで〜」
つーくんを部屋に案内しながら言う。
「いつも以上にゆるゆるだな?何してたの、みーも?」
「うん・・・・・・さっきまで寝てて」
扉を開けながら答えて、さっと青ざめた。
グッズづくりをしてて、片付ける前に寝ちゃってたんだった・・・・・・。
なんていわれるかわかんない・・・・・・どうしよう。
「みーも。入るよー」
「ま、まって!まだ、入らないで・・・・・・」
「何で?」
「隠すから・・・・・・」
「何を?」
「・・・・・・お、推しっ・・・・・・!」
必死で腕を伸ばし、私より大分背の高いつーくんを見上げる。
「・・・・・・絶対入ってやる」
「えーっ!意地悪っ!ヒドい!えーと、えーと・・・・・・ロールキャベツっ!」
思いつく限りの悪口を並べる。
別に悪口はいいたくないけど・・・・・・恥ずかしいっ!
・・・・・・がちゃっ
「「あ・・・・・・」」
うぅ・・・・・・バレちゃった・・・・・・恥ずかしいよ・・・・・・。
「これは何〜?」
「えっ・・・・・・お、お人形・・・・・・キーホルダーの・・・・・・カニカンタイプのやつ」
つーくん、頭いいはずだけど・・・・・・分からなかったかな・・・・・・まぁ、下手っぴだもんね・・・・・・あはは。
「そんなこと見りゃわかるし。これ!なに、こいつ」
つーくんが指を指したのは、るっくんのお人形。
言わずもがな、私の、尊き推しだ。
「えっ・・・・・・るっく・・・・・・え、るっくんのこと知らないの!?嘘!?」
説明しようとして、ふと思った。
るっくんのこと知らない人が、この世にいたの・・・・・・っ!?
「知らねーよ。つーか、実萌って想像以上のオタクだったのな」
が、がーん・・・・・・!
本を一冊抜き取ると、つーくんの前に差し出した。
「丁寧に扱って。この本のファンブック。七三ページから八五ページまで載ってるから、全部見て!」
開いて見せると、つーくんはお人形とイラストを見比べた。
「絵うっま・・・・・・他にはなんか作ってんの?オタク実萌?」
褒め言葉と煽り言葉がセットになったことは気に留めず、目を輝かせた。
こ、これは、興味あり・・・・・・!?
「うんっ!ほら、クローゼットの中に・・・・・・うんしょっと・・・・・・ほらっ!」
「・・・・・・上手い・・・・・・いや、どれもフツーだけど・・・・・・作りすぎだろ」
えっ・・・・・・そ、そうかな・・・・・・つーくんの毒舌には困っちゃうなぁ・・・・・・。
「・・・・・・どっかのオタクさんのせいで忘れてた、課題やる」
あっ・・・・・・そうだった!
「私終わらせたから、教えられるよ!」
「まじで!?」
「るっくんのこと知ってくれるならね」
「はいはい」
よしっ、布教完了だっ!


