朝のちょっとした騒動を終え、学校に向かう私とユウくん。騒動って言っても、私が勝手に騒いでただけだけど。
朝に寝癖があるくらい、どうってことない。普段ならそう思うけど、ユウくんに知られたのなら話は別。
だらしないって思われたらどうしよう。
心配しながらユウくんを見ると、ちょうどユウくんもこっちを見ていて、目が合った。
「藍、ありがとな」
「えっ? な、何が?」
突然お礼を言われるけど、そんな心当たりなんてまるでない。
「泊めてくれたことだよ。藍がうちに来ないかって言ってなかったら、どうしていいかわからないところだった」
「そんなこと? それなら、気にしないでって昨日も言ったじゃない」
私が好きでやったことだから、わざわざお礼なんて言うことないのに。そう思ったけど、ユウくんは首を横に振る。
「大事なことだよ。昨夜寝る時に考えたんだ。今の俺は幽霊で、ほとんどの人には姿が見えない。もしも藍に会ってなかったら、どうなっていただろうって」
「あっ……」
確かに、今のユウくんが頼れるとしたら、私か、でなければ同じく姿見える三島くらい。
そんな状態で居場所までなかったら、どれだけ不安な気持ちになるだろう。
「だから、改めてありがとう。泊めてくれただけじゃない。藍がそばにいてくれて、凄く心強いし、嬉しいんだ」
ユウくん、そんな風に思ってたんだ。けど、嬉しいのは私も同じだよ。
「私も、ユウくんの力になれて嬉しい。ユウくんには、いつもたくさんお世話になってたから」
三島にイジワルされた時は助けてくれたし、宿題でわからないところがあった時は教えてもらった。遊んでもらったことは、何度あったかわからない。
そんなユウくんのために何かできるのが、嬉しかった。
「藍が、こんなにも頼もしくなるんてな」
ユウくんがそう言って笑うと、私もつられて笑ってしまう。
(やっぱり私、今でもユウくんが好きなんだな)
何度も思ったことを、また改めて思う。
小さいころから、ずっと好きだった人。けどあの頃ユウくんは、ずっと年上のお兄ちゃんで、憧れって感じが強かったと思う。ユウくんもきっと、私を妹みたいなものって思ってる。
だけど昔と比べて大人になって、歳の差もほとんどない今は、前よりもっと恋してるって気持ちが強くなってる気がした。
幽霊になったユウくんと、いつまで一緒にいられるかわからない。けど妹とは違うこの気持ち、いつかは伝えてみたい。
そんなことを考えながら、学校に続く道を歩いてた。
朝に寝癖があるくらい、どうってことない。普段ならそう思うけど、ユウくんに知られたのなら話は別。
だらしないって思われたらどうしよう。
心配しながらユウくんを見ると、ちょうどユウくんもこっちを見ていて、目が合った。
「藍、ありがとな」
「えっ? な、何が?」
突然お礼を言われるけど、そんな心当たりなんてまるでない。
「泊めてくれたことだよ。藍がうちに来ないかって言ってなかったら、どうしていいかわからないところだった」
「そんなこと? それなら、気にしないでって昨日も言ったじゃない」
私が好きでやったことだから、わざわざお礼なんて言うことないのに。そう思ったけど、ユウくんは首を横に振る。
「大事なことだよ。昨夜寝る時に考えたんだ。今の俺は幽霊で、ほとんどの人には姿が見えない。もしも藍に会ってなかったら、どうなっていただろうって」
「あっ……」
確かに、今のユウくんが頼れるとしたら、私か、でなければ同じく姿見える三島くらい。
そんな状態で居場所までなかったら、どれだけ不安な気持ちになるだろう。
「だから、改めてありがとう。泊めてくれただけじゃない。藍がそばにいてくれて、凄く心強いし、嬉しいんだ」
ユウくん、そんな風に思ってたんだ。けど、嬉しいのは私も同じだよ。
「私も、ユウくんの力になれて嬉しい。ユウくんには、いつもたくさんお世話になってたから」
三島にイジワルされた時は助けてくれたし、宿題でわからないところがあった時は教えてもらった。遊んでもらったことは、何度あったかわからない。
そんなユウくんのために何かできるのが、嬉しかった。
「藍が、こんなにも頼もしくなるんてな」
ユウくんがそう言って笑うと、私もつられて笑ってしまう。
(やっぱり私、今でもユウくんが好きなんだな)
何度も思ったことを、また改めて思う。
小さいころから、ずっと好きだった人。けどあの頃ユウくんは、ずっと年上のお兄ちゃんで、憧れって感じが強かったと思う。ユウくんもきっと、私を妹みたいなものって思ってる。
だけど昔と比べて大人になって、歳の差もほとんどない今は、前よりもっと恋してるって気持ちが強くなってる気がした。
幽霊になったユウくんと、いつまで一緒にいられるかわからない。けど妹とは違うこの気持ち、いつかは伝えてみたい。
そんなことを考えながら、学校に続く道を歩いてた。


