漂う花は、還り咲く

「お化け屋敷だってよ!行こうぜ!」


気づけば、いつもの調子を取り戻した晴が、無邪気な笑顔を向けてくる。

後ろから聞こえる二人の呆れたため息と、じわじわ広がる周囲のざわめき。


無自覚って怖いな、なんて思いながら、それすら楽しんでいる自分がいるのも事実で。


「え、行こ行こ!私、お化け屋敷とか初めて!」

「まじ?夏祭りとか行かねーの?」

「大きいのは行ったことないんだよね」


いつも通り言葉を交わしているうちに、周りの視線なんて気にならなくなる。

せっかく来たんだもん。楽しまなきゃ。


「直樹!魁!早く早くー」


二人を手招きして並ばせ、弾む足取りでお化け屋敷の教室を探す。


「あれー?どこだろ、お化け屋敷」

十分ほど校内を歩き回っても、それらしい場所は見当たらない。


「六花、どこの教室探してんの?晴、案内してやれよ。」

「あ、ごめん。見てなかった。」


——そっか、見ればよかったんだ。


入り口でもらったパンフレットを広げる。