漂う花は、還り咲く



「六花、ほんとに行くんだ」

徹也がにやにやする。


「逃げる理由ないでしょ」

「進学校の文化祭だよ?」

「だから行くの」


そう言うと、徹也と直樹は顔を見合わせて笑った。


「やっぱ六花だわ」

「肝座ってる」

「褒めてる?」

「褒めてる褒めてる」


五人揃って、駅前を歩き出す。

少し先に、目的の学校が見えた。

高い門。
整えられた並木。
人混みから覗く、大きすぎる校舎。

「……」

スケールが違いすぎる…

「ここ」

晴が短く言った。

「俺らの学校」

私は、思わず“文化祭”と書かれた門の前で立ち止まる。

「……でか」

「だろ」

「え、ちょっと待って」


校門の向こうから聞こえる音楽、呼び込みの声、
色とりどりの装飾。

「文化祭って、こんな……?」

「普通じゃないって言っただろ」


晴が言う。

その横顔は、どこか誇らしげにも見えた。

私は深呼吸して、一歩前に出る。

「よし」

「?」

「異文化交流、してきますか」

魁が笑う。

「六花、絶対なにも起こすなよ」

「その言い方!」