漂う花は、還り咲く



電車に揺られて、駅に着く。

人混みの中で、すぐに見つけた。

――制服じゃないのに、すぐ分かった。

晴。

黒のパーカーに、ラフなパンツ。

昨日までと変わらない格好なのに、なぜか今日は少しだけ「中学生」に見える。


「おはよー」

明るい声で言うと、晴が振り向いた。


「おはよ」

それだけ。

なのに、変に安心する。


「待たせた?」

「俺が早く着きすぎただけ」

「真面目か」

「中等部だからな」


からかうと、少しだけ眉を寄せる。


「……似合ってる」

「え?」

「その服」


一瞬、聞き間違いかと思った。


「いま、なんて?」

「聞こえたままでいい」


ぷい、とそっぽを向く。

「なにそれ」

急に笑ってしまう。


「晴、今日なんか変」

「六花も」

「私?」

「落ち着いてない」


図星すぎて、言い返せない。


そこへ。

「おーい!」

少し高めの声。


振り向くと、見覚えのある3人が走ってくる。


「六花じゃん!」

「久しぶり!」

魈と徹也と、直樹。

3人とも晴と同じ中等部で、海月では下っぱだけど、時期幹部候補って言われてる実力者たち。