────
文化祭当日の朝。
目が覚めた瞬間、私は天井を見つめたまま固まった。
……今日だ。
わくわくしながら待ってたら、思いのほかすぐその日はきた。
進学校の文化祭。
しかも、私服で。
しかも、みんなの学校。
心臓が、無駄に元気。
「落ち着け、私」
布団から起き上がって、スマホを手に取る。
【晴:8時半、駅前な】
短い一文。
いつも通りなのに、今日はやけに頼もしく見えた。
クローゼットを開けて、しばらく悩む。
派手すぎると浮く。
地味すぎるのは、テンションが上がらない。
結局、選んだのはフリルになった水色のふわふわブラウスに、濃い色のデニム。
動きやすさ重視。
だけど、可愛さも忘れずに。
ゆるーく髪を巻いて、ポニーテールにする。
気合い入れすぎて空回りするより、“私”で行く方が楽だ。
家を出ると、空はよく晴れていた。
秋っぽい風。


