漂う花は、還り咲く


次の日。

待ち合わせ場所に着いて、私は一瞬、場所を間違えたかと思った。

「……え」

全員、制服。

しかも――
揃いも揃って、やたらちゃんとしてる。

ブレザーはきっちり着てるし、
シャツは皺ひとつないし、
ネクタイもリボンも正しい位置。

昨日まで路地裏にいた人たちと、
同一人物に見えない。


「……誰?」

思わず口に出た。

「失礼すぎだろ」

結翔が苦笑する。


「いやいやいや!」

私は指差しながら一歩下がる。

「その制服なに!?
え、なに、進学校!?」


凛月が肩をすくめる。


「中高一貫の」

「偏差値はそこそこじゃね?」

「そこそこ!?」

澄ました伊織に、大きな声が出てしまう。

校章を見て、私は固まった。

……知ってる。
というか、普通に有名校。


「ちょっと待って。
もしかして……みんな、同じ学校?」

「うん」

「そう」

「一応」

一応で済ませるな。


「晴も?」


私が見ると、晴は少しだけ目を逸らす。

「……俺は中等部」

「は???」


声がひっくり返った。

「え、待って、そういえば晴って……中学生!?」

「悪いか」

「悪くはないけど!!
昨日の落ち着きでそれは詐欺!!」

耐えきれなくなって、私はその場で笑い出した。


「なにそれ、意味わかんない!!
みんな裏では喧嘩して、表では優等生!?
漫画じゃん!!」


「声でかい」


伊織に言われるけど、止まらない。


「じゃあさ、学校ではどんな感じなの?」

「普通」

「真面目」

「成績、悪くない」

……いや、全然普通じゃない。