漂う花は、還り咲く


黒い服に袖を通し、フードを深くかぶる。

長めの髪をひとつに結んで入れ込めば、男か女か分からなくなった。


…胸も、大きいほうじゃないから、ダボっとした分厚めのパーカーなら見えなくなってしまう。

悔しいけど!!


特訓用で置いていたスニーカーに履き替えて、着ていた制服を綺麗に畳んだ。


これから、始まるんだ。



「……これ、サイズぴったりなんだけど」

みんなのところに戻ってぽつりと呟くと、一瞬だけ場が静まった。

次の瞬間。

「……あ」

晴が、気まずそうに目を逸らす。

「まさか」

結翔がニヤッと口角を上げる。

「それ、誰のだ?」

「……」

晴、無言。

「ははーん?」

伊織が腕を組みながら、晴の全身をじろりと見回す。

「それ、晴のだろ」

「えっ!?晴の!?」

思わず大きな声が出る。

「いや、違っ……!違くはねぇけど!」

「ぴったりすぎだろ」

「六花と同じサイズじゃねぇか」

「ちっさ」

凛月まで、ぼそっと一言。

「るせぇ!!」

晴が顔を赤くして叫ぶ。

「俺だって成長期なんだよ!!」

「じゃあなんで六花にぴったりなんだよ」

「六花が思ったよりデカい?」

「それはねぇな」


一斉に吹き出すみんな。

私も、思わず笑ってしまった。