漂う花は、還り咲く

…絶対2人で勝ってやる


ゲームが始まると、案の定、結翔は操作に慣れていなくて最初はふらふら。

「落ち着いて、まずはカーブの曲がり方。ドリフトを離すタイミングが大事」

私は結翔の画面も見ながらアドバイスを送り続けた。

結翔は素直に従い、驚くほど動きがよくなっていく。


「あれ、結翔速くなってきてる!」

晴が焦りながら叫ぶ。

最後の一周。走順は

晴→伊織→私→結翔

優勝を確信している2人だけど、まだまだ戦いはこれからだ。


ゴール目前というところで、私は持っていた赤甲羅を目の前を走る伊織にぶつけた。


そしてそのまま抜き、晴に緑甲羅を当てる。

2人の動きが止まった一瞬で、結翔に叫ぶ。

「結翔!今!!」

結翔がスピードアップのきのこを持っていることは確認済み。

そのまま結翔が1位でゴールに飛び込むのを見届け、私もそれに続く――前に。


最後に晴と結翔ををバナナに引っ掛けてから2位でゴール。

「くそっ、なんだこれ!」
晴が悔しそうに叫ぶ中、私は爽快にガッツポーズ。

「ほらね、やっぱりチームワークだよ!」

結翔とハイタッチをしながら、晴に向かってあっかんべー。


「完全にオーバーキルだろ…」

放心状態の伊織に、悔しがる晴。

そして初めてらしい1位に満面の笑みの結翔。


勝てた喜びと、技が決まった気持ちよさ。
初めて見る結翔の無邪気な顔。

全てが楽しくて、笑いが止まらない。