漂う花は、還り咲く

私が固まっていると、伊織が軽口を叩いた。

「お前の動き、空手でも柔道でもボクシングでもねぇ。もっと切羽詰まった、必死な避け方だろ?
昔、命でも狙われてたんじゃねぇか?戦争にでも行ってたのかよ?」

「伊織、余計なこと言うな。」

凛月は言葉を短く切ると、その鋭い眼差しでじっと伊織を射抜いた。

言葉はそれだけ。あとは視線だけで、場の空気が一瞬にして締まる。


「わりぃ」

その無言の圧力に伊織はすっと黙り込み、視線を落とした。


伊織の言葉に、私は肩をすくめて笑った。

「はは、まさかー。命狙われてたなんて、映画の見すぎだよー」

その一言で、場の空気が少し和らいだ。

凛月がちらりと私を見たけど、何も言わずに視線をそらす。

「まあ、今は強くなることだけ考えようぜ!」

晴が元気よく声を上げ、みんなも頷いた。


そうだ、まずはここからだ。


千隼が画面を止め、メモを取りながら言った。

「よし、改善点は見えた。まずは持久力と筋力の強化だ。これがなければ動きが鈍り、反応も遅れる。基礎体力が土台になる」


晴が腕組みして、「筋トレか…つらそうだな」と呟く。


「まあ、避けるだけじゃ勝てねえからな」

凛月が真剣な眼差しで続けた。


「次に攻撃技術だ。単にかわすだけじゃなく、反撃の流れを作らなきゃ意味がない。状況を一瞬で見切って、自分の攻撃につなげるんだ」

私はうなずきながら、胸の中で決意が固まっていくのを感じた。