漂う花は、還り咲く

でも――私の手元には、まだ一つアイテムがあった。

「行ける……!」

ボタンを押すと、キャラが大きなクラクションを鳴らす。

衝撃波が青甲羅を吹き飛ばし、空中で粉々に砕け散った。

「は!? 青甲羅って防げんの!?」

「ふっふーん、これが裏技ってやつ!」


そのままブーストを踏み込み、テープを切るようにゴールラインを駆け抜けた。

1位の文字が画面に輝く。

横でコントローラーを放り投げる晴。


「ずっっる!そんなの知らないし!」

「知識も実力のうちですー」

「……ぐぬぬ」

勝利の余韻に浸りながら、私は高らかに勝ちポーズを決めた。


「もう一戦! 今度は絶対勝つ!」

晴がコントローラーを握り直し、やる気満々でこっちを見てくる。


「いいよ――」と答えかけたところで、ソファの方から声が飛んできた。


「六花、ちょっと来い」

振り返ると、千隼が立ち上がりながらこちらを見ていた。

晴が「えー!」と不満を漏らすが、私はコントローラーを置いて立ち上がる。



千隼が壁際のモニターにスマホを繋げ、映像を再生し始めた。

昨日の、凛月との手合わせの動画だ。

晴、結翔、伊織、そして凛月も一緒に集まって見ている。