漂う花は、還り咲く

――距離は十分。

アイテムボックスを通過して、手元に現れたのは……緑甲羅。

「よし……」

緑は赤と違って自動追尾なんてしてくれない。

タイミング、角度、全部こっちで合わせなきゃ当たらない。


カーブ出口、わずかに晴が外側に膨らむ。

そこだ――!

「えいっ!」

放たれた甲羅はコースの壁に一度当たり、跳ね返って――ドンッ!

見事、晴のキャラに直撃。


「うわっ!? 緑甲羅って当たるの!?」

「ふふーん、当てるんだよ、こうやって!」

止まった晴を華麗に抜き去る。

背後から「ずるい!」と叫ぶ声が聞こえたけど、気にしない。

このまま、トップで3周目に突入。

晴は諦めたのか、マップを見てもかなり後ろにいるようだ。

ジャンプ台もショートカットも完璧にこなし、ゴールの直線が見えてきた。


「……もらった!」


隣りから晴の声。

次の瞬間、耳慣れた不吉な音――青甲羅だ。

「うそっ!?ゴール前で!?」



甲羅が私の頭上でぐるぐる回りながら迫ってくる。

あと数秒で爆発確定。

この距離なら、当たった瞬間に抜かれる……!