これは勝てる!
「3、2、1……スタート!」
カウントの直後、指が自然にボタンを押し込み、私たちのキャラが勢いよく飛び出した。
スタートダッシュ成功。よし!
横で晴が「お、やるじゃん」とにやつく。
でもこっちは余裕。
序盤の緩いカーブも、ジャンプ台の着地も完璧だ。
――あ、バナナ置いたな。
そんなの、分かってる。インから攻めてスルー。
「え、避けた!?」
「ふふん」
後ろで動揺してる音が心地いい。
このままゴールまで――
「……あっ」
油断した瞬間、青い甲羅が視界を横切った。
爆発音。スピードが落ちる。
「いただきー!」
横から晴のキャラが抜き去っていく。
「ま、まだ2周目だし!」
逆転を誓ってアクセルを踏み込んだ。
2周目、気持ちは完全に狙撃モード。
カーブの先で、晴のキャラの背中が見えた。


