漂う花は、還り咲く

いやほんと、冗談じゃなく倒れそうなんだけど……

そのままなんとか気合いで着替えて六時間目。

英語。

クーラーの効いた教室が、神様みたいにありがたく感じる。

先生の声を聞きながら、ぼーっと教科書を開く。

……けど、頭が働かない。

脚はまだ重いし、汗は止まったのに、背中に張りついたシャツが気持ち悪い。

なんかもう、意識がふわふわする。

それでも、なんとなくペンを握ってると、

ポケットの中のスマホが、ぶるっと小さく震えた。

……ん?

一瞬、気のせいかと思ってそっとスマホを取り出す。

画面に浮かんだ通知。


「……え」

そこには、結翔の名前があった。


[放課後、家の前まで迎えに行く]


……は? ちょ、なに。

頭が一気に冴える。

いや、嬉しいとかの前に、状況がよくわかんない。

授業中なのにスマホ触ってんのもまずいけど、それ以上に、今のこれは…


「…迎えに来るって、なに」


小声でつぶやいてから、急いで口を閉じた。


先生が前にいるのを思い出して、あわてて顔を伏せる。

でも、もう無理だった。英語どころじゃない。


さっきまでのだるさとか、倦怠感とか、全部ふっとんでる。


むしろ胸がふわふわして、落ち着かない。

思い出しただけで、顔が熱くなる。

……家まで、来るの?