でも、その“そうか”の中には、いろんな気持ちが混ざってる気がした。
一緒に歩いて行くと、バイク置き場に着いた。
赤、青などの派手なものの中から、結翔が目指したのは真っ黒なボディの車体。
「乗れる?」
「うん」
こくりと頷き、よじ登る。
手渡されたヘルメットを被ると、目の位置が合わない。
「…大きい」
「ぷっ、六花には大きすぎたか」
前は見えないけど、結翔が肩を震わせて笑っているのが分かる。
「じゃあこっち」
「ありがとう」
しっかり被って、結翔の肩に手を置く。
「怖い?」
「…うん」
「これでも一応、免許は持ってるから。安全運転でいくし、安心して。」
「わかった。」
バイクのエンジンがかかった。
それにびっくりして、強めに結翔の腰にしがみつく。
「行くよ」
バイクが静かに走り出す。
夜の風が涼しくて、肌に心地いい。
でも、心の中はさっきの熱がまだ残っていて、落ち着かないまま揺れていた。
背中越しに感じる結翔のぬくもりと、安定した運転に身を任せながら、私は今日のことをぼんやりと思い返していた。
凛月との手合わせ。
あの悔しさ。
みんなの優しさ。
そして、ここに来る前にはなかった、海月への安心感。
ほんの少し前の自分とは、もう違う気がした。


